いじめ被害者の相談できない実態1


10月 30th, 2009

いじめを受けたら相談したらいい、と誰もが言いますが、そう簡単に相談できるものではありません。

これは、ある弁護士から聞いたいじめ問題についての話です。

加害者が、実は被害者であり、いじめを受けながら相談できなかった事情が垣間見えます。

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「中学3年生の息子が逮捕されました。
まじめで、おとなしい子なのです。
信じられません。どうしたらよいでしょうか」

電話越しに震える母親の声に、すぐに私は答えました。

「だいじょうぶです。
心配されるお気持ちは、よく分かります。
詳しく、事情をお聴かせください」

しばらくして、お母さんが事務所を訪ねてこられました。

「息子は、成績は中ぐらいで、非行歴はなく、おとなしい性格なのです。
それなのに、刑事さんの話ですと、駅近くの路上で、中学1年の男の子を脅し、4000円を『カツ上げ』したというのです。
信じられません。どうしてこんなことに……」

母親は途方に暮れるばかり。
事件の背景も何も分かりませんでした。

逮捕されたS君にまずは会って話を聞いてみなければなりません。私は、すぐに、警察署へ向かいました。

警察の留置場に入れられている段階で、面会が許されるのは弁護士だけ。
しかも、面会場所も、厳重に管理された「接見室」に限られています。

私が接見室に通されると、やがて、うつむきかげんで、おとなしそうな少年が、厚いアクリル板の向こうに現れました。

(つづく)


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