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いじめ被害者の相談できない実態2
さて、前回の続きです。いじめにあったら相談しないといけない、と言われていても、なかなか出来ない事情があります。
この事例でも、よくわかりますので、続きをお話しましょう。
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初対面の大人に、しかも弁護士に、簡単に心を開いてくれるとは思えません。
「お母さんが、すごく心配しているよ……」
母親に頼まれて、太郎君の力になろうとして、会いに来たことを話しながら、少しずつ、事実を確かめていきました。
「本当に、下級生から、お金を奪ったの」
太郎君は、小さな声で、ポツポツと話し始めます。
「はい……、4千円、カツ上げしました」
「相手は、知っている子だったの」
「いいえ、ひ弱そうな一年生を探して、ナイフをちらつかせて、お金を出させたのです……」
「どうして、人のお金を取ったのかな?」
「ゲームやコミックが欲しかったからです」
「どんなゲームやコミックが欲しかったの?」
「別に……」
なぜか、明確な答えはありませんでした。
「月々のお小遣いは、いくらもらっていたの?」
「3千円です」
「足りなければ、どうして、お父さんか、お母さんに、言わなかったの」
「別に、それが不満だったわけではありません」
太郎君はまじめで、少し気が弱そうでした。
そんな彼が、なぜ、いきなり人から、お金を脅し取ろうという気持ちになったのか、その理由が、全く分かりません。
もっと詳しく聞こうとしても、太郎君は、それ以上、話をしてくれませんでした。
しばらくして、意外な事実が発覚しました。
太郎君は、一人で「カツ上げ」をしたのではなかったのです。
同級生の秋男君(仮名)が、恐喝の共犯で逮捕されたのでした。
そこで再び、太郎君に面会に行き、秋男君と、どんな関係があったのか尋ねてみました。
すると、何かの束縛から解かれたように、やっと重い口を開いてくれたのです。
「秋男君には、小学6年生のころから、お金を渡していました。
秋男君に誘われるまま、お金を賭けて遊んだのがきっかけです。
何回も勝負に負けて、3万円くらいの借金ができてしまいました。
中学生になって、お小遣いから少しずつ秋男君に払っていました。
でも、いくら払っても、利子が付いて、逆に借金が増えていったのです。
そこで、親の財布から、こっそりお金を抜き出したり、親の預金通帳から無断で引き出したりするようになりました。
繰り返しているうちに、親も警戒するようになって、それもできなくなってしまったのです。
お金が払えなくて、どうしよう、どうしよう、と考えていたら、『下級生からカツ上げをしてこい』と言われ、ナイフを渡されました。
ボクは嫌だったのですが、秋男君から『見張りをしてやるから、やれ』と強く言われ、逆らうことができなくなってしまったのです」
そんなに簡単に相談できるような状況でない背景が見えてきます。次回に続きます。
(つづく)
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