いじめ被害者の相談できない実態1
いじめを受けたら相談したらいい、と誰もが言いますが、そう簡単に相談できるものではありません。
これは、ある弁護士から聞いたいじめ問題についての話です。
加害者が、実は被害者であり、いじめを受けながら相談できなかった事情が垣間見えます。
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「中学3年生の息子が逮捕されました。
まじめで、おとなしい子なのです。
信じられません。どうしたらよいでしょうか」
電話越しに震える母親の声に、すぐに私は答えました。
「だいじょうぶです。
心配されるお気持ちは、よく分かります。
詳しく、事情をお聴かせください」
しばらくして、お母さんが事務所を訪ねてこられました。
「息子は、成績は中ぐらいで、非行歴はなく、おとなしい性格なのです。
それなのに、刑事さんの話ですと、駅近くの路上で、中学1年の男の子を脅し、4000円を『カツ上げ』したというのです。
信じられません。どうしてこんなことに……」
母親は途方に暮れるばかり。
事件の背景も何も分かりませんでした。
逮捕されたS君にまずは会って話を聞いてみなければなりません。私は、すぐに、警察署へ向かいました。
警察の留置場に入れられている段階で、面会が許されるのは弁護士だけ。
しかも、面会場所も、厳重に管理された「接見室」に限られています。
私が接見室に通されると、やがて、うつむきかげんで、おとなしそうな少年が、厚いアクリル板の向こうに現れました。
(つづく)
いじめ体験, いじめ問題, 相談 | コメントは受け付けていません。いじめがイヤで死んでも苦しみは解決されない
先日、ある中学生から、こんな相談を受けました。
「私は、今、学校で、いじめにあってます。もういやです。死にたいです。でも、周りは、死んじゃダメだと止めます。どうして死んだらいけないんですか」
死にたいくらい苦しいのに、それに耐えて、よく相談してきたな、と涙が出ました。相談してきてくれて、本当に良かった、と思いました。ときどき、「いじめられたくらいで死ぬな」と言う人があります。いじめられた“くらい”と言いますが、とんでもない。本人にとって、どれほどの苦しみなのか、わからないから、そんなことが言えるのでしょう。
でも、どんなに「つらいから死にたい」と相談を受けても、「なら、死んじゃえばいいよ」とは口が裂けても言えません。なぜなら、死んで最もつらい思いをするのは、親です。そして、親は、間違いなく自分を責めることになります。「どうしてこんなことになったのか……」「私があの子を助けてやれなかった……」その苦しみは一生続くことになります。死ぬことは、いじめから抜け出す最終手段でも何でもありません。自分も他人も不幸にする最悪の手段と言っていいでしょう。死ぬことによって、自分はいじめの苦しみから解放されるように思うのでしょうが、それは勝手な思い込みであって、死んだら楽になれる、という保障がどこにあるでしょう?どこにもないのです。いじめがイヤなら、学校に行かなくても大丈夫です。学校以外にも、安心して友達ができる居場所はあります。今の苦しみから逃れる方法はちゃんとあります。だから、身近な相談できる人に話をしてみましょう。
相談しよう!
いじめが社会問題になって久しくなります。
子供は無知であるがゆえに、無邪気で残酷でもあります。特に核家族化が進行し、親とのコミュニケーションが取りづらくなってきているため、人とのコミュニケーション能力が充分に育たないということも背景にあるようです。
相手の痛みがわからないだけに、ひどく傷つけてしまう。
また、いじめられる恐怖に耐えかねて、いじめる側についてしまうという集団心理。
いじめを苦にした子供の自殺が後を絶ちません。
でもやっぱり死んではいけません。
死んでも何も解決しません。
死ぬのを覚悟しているなら、まずは誰かに相談してからにしませんか。
「誰にも相談したくない」
という気持ちなのかもしれません。でもどうせ死ぬのなら、誰かに相談して話をきいてもらってからでも遅くないでしょう。
相談してもどうにもならないとしても、話を聞く分には問題ないでしょう。相談した相手の言ううことに納得いかなければ、相談するのをやめればいいだけです。
とにかく誰かに相談してみませんか。
全国各地に相談窓口はありますし、匿名で構いません。名前を言わなくてもいいのだから、途中で電話を切ってもなんともないはずです。時間はあるのだから、相談してみましょうよ。
そういった人に話をするのがいやなら、インターネットを使ってイロイロ調べてみましょう。
親鸞会の人に相談してもいいでしょう。
気になる言葉や教えがあったら、電話して相談してみましょう。
死ぬことを考えたのなら、時間はあるはずです。少し誰かと話をする時間は作れると思います。
大人のいじめ
学校での子供同士のいじめは社会問題となっています。
いじめ自体は昔からあったものですし、これからもなくならないかもしれませんが、いじめを苦にした自殺はなんとしても失くしていかなければなりません。
こうしたいじめを苦にした自殺は、子供の社会にとどまらずに大人の世界でもはびこってきているようです。
職場の人間関係について人間関係を悩み、苦にした神経衰弱やうつ。
仕事の失敗から、責任を感じて自殺を深刻に悩む。
真面目な人であればあるほど、悩みを抱えてしまって誰にも相談できなくなってしまう。
「家族には迷惑をかけたくない」
「職場の誰にも相談できない」
どんどん追い詰められていって、結果「自殺」を選んでしまう・・・。
本当に責任を取って死ぬことが、周りに迷惑をかけない選択なのでしょうか。
一家の大黒柱を失った家族は、経済的な苦しみに加えて、精神的にも苦しめられます。
「なぜ相談してくれなかったんだろう」
「主人が自殺したのは相談にのってあげられなかった自分のせい」
「死んではいけない」と、親鸞会では明確に理由を示して断言しています。
釈迦の言葉に「天上天下、唯我独尊」 というものがあります。「我々人間は、大宇宙広しといえども、たった1つの、尊い目的を果たすために、この世へ生まれてきたのだ」 という意味で、言い換えれば、「人生には万人共通の目的がある。どんなに苦しくても、その目的を果たすまで、死んではならない」 と力強く断言された言葉なのです。その目的とは、苦悩の根源を断ち切り、『本当の幸福』になること以外にない、と教えられています。
いじめ相談
日本の小中学生は合わせて1,000万人程度でそのうちの約5%の人が「いじめ」に悩んでいるという統計数字があるそうです。
つまり、50万人以上の小中学生が「いじめ」を受けていると感じていることになるのですが、こうしたいじめ被害者のための相談窓口の整備、相談員の拡充が必要とされています。
いじめ問題の対策としては、いじめを失くすこと、少なくすることと同時に、いじめ自殺を防ぐためにいじめ相談窓口に相談できる環境作りと周知徹底が必要になってきます。
また自殺を思いとどまらせるために「なぜ死んではいけないのか」という疑問に対する答えも用意しておかなければならないでしょう。
「いじめを受けてこんなに辛い思いをしてまで、なぜ生きていかなければならないのか」
「生きる意味が見出せないのに、なぜ苦しんでまで生き続けなければならないのか」
こうした疑問に対する答えは?
最近、歎異抄を通じて、親鸞聖人に関心を抱くようになりました。知人が、仏教に詳しく、親鸞会という浄土真宗の集まりで勉強しているので、いろいろ教えてもらっています。
親鸞聖人は生きる意味について、ハッキリ教えられた方だと聞きました。
「生きる目的は、金でもなければ財でもない。名誉でもなければ地位でもない。人生苦悩の根元を断ち切られ、〝よくぞ人間に生まれたものぞ〟と生命の歓喜を得て、未来永遠の幸福に生きること」
何と簡潔で鮮やかでしょう。これを歎異抄の言葉では、「摂取不捨の利益を得る」とも「無碍の一道」ともいわれているそうです。本当の人生の目的を知ったとき、一切の悩みも苦しみも意味を持ち、それに向かって生きるとき、すべての努力は報われると教えられる親鸞聖人にますます魅力を感じました。
いじめに対応する人にも、学んでいただきたい日本の伝統仏教の教えです。
相談 | コメントは受け付けていません。自殺のこと
日本は自殺大国と言われるほど自殺の多い国です。
年間3万人以上の人が自ら死を選んでおり、ここ10年で30万人以上が自殺で亡くなっています。
なぜ「自殺」するのでしょうか。
いじめを苦にして、仕事に悩んで、育児に悩み、育児ノイローゼとなって・・・理由は様々です。しかし、日本の自殺者数が欧米各国の2倍以上になっているのはなぜなのでしょうか。
理由はいくつか考えられますが、ひとつは自殺を容認する文化があると思います。
このことは武士の切腹など、死んで責任を取るという文化的背景が関係していると思います。現在でも、借金を苦にしてとか、事態の責任を取って自殺を選ぶ経営者など、「死によって責任を取る美学」という思想が日本人にはあるのかもしれません。
これはキリスト教やイスラム教の国ではありえません。
日本は仏教国ですが、仏教では、自殺は愚かなことだと教えられています。
以前にもご紹介しましたが、自殺を深刻に悩んでいる人は「周りの人に悟られたくない」という心理が働いて、家族や職場の人に相談しない、できないという状況になります。それ故、悩みや問題を一人で抱え込んでしまう状況になるのですが、そうしたときに宗教によって自殺を厳密に禁じられているかどうかが大きく作用します。
自殺を深刻に悩んでいる人の「相談したくない」という心理状態は、日頃からのコミュニケーションによって兆候を察知するしかありません。しかし、現代の日本ではそうした相談の出来る環境が少なくなっているというのも原因に挙げられるかもしれません。
自殺のこと | コメントは受け付けていません。いじめ撲滅?
いじめ問題を考えるときに、「いじめ撲滅」や「いじめをなくそう」というスローガンが掲げられることがあります。
いじめは深刻な社会問題ですし、いじめを許すことは出来ません。
しかし、いじめを完全になくすことはできるでしょうか。
大人の世界でも「職場のいじめ」とかがなくならないのに、子供のいじめを完全になくすことなど机上の空論にすぎないのではないでしょうか。もちろん、将来的な目標として「いじめ撲滅」を掲げることは、崇高でいいことだと思います。
しかし、いじめ問題に取り組む場合には、現実として「いじめ」はあるものだという前提で取り組んでいくことが必要だと思います。
差別とか偏見とか、人間の根源的な部分とかかわって、「いじめ」は生じてくると思いますが、そうした差別や偏見をゼロにするということは現実的に不可能だと思います。少しネガティブになりますが、「いじめ」というのは、子供でも大人でも、集団の中では、容易に起きやすい現象として考える必要があるでしょう。。
スローガンとしては掲げても、現実問題としてはいじめの対策を充実させることに主眼を置くことが必要でしょう。
今いじめられている子供たちの対処をどうするかということ、いじめ自殺を防ぐことのほうが早急に対処しなければならない問題なのです。いじめを受けている子供を孤立させない、いじめの問題を相談できる環境を整える、子供とのコミュニケーションを図る体制作りといったことが大切だと思います。
いじめは早期発見が肝要
いじめを苦にして自殺を深刻に悩んでいる場合、「人に知られたくない」という心理が働いて、誰にも相談できないということを前回ご紹介しました。しかし、だからといって「相談してください」と訴えないわけにはいきません。
子供ひとりでいじめ問題を抱えて、解決することは実質無理です。いじめを受けている子供は、なぜ自分がいじめられなければならないのかがわからず、自分を責めたり、自殺を考えたり、親に知られたくないと我慢したり・・・。これは病的な心理状態にあるわけで、冷静な判断など出来るはずがありません。
誰かの助けが必要なのです。
「誰か」とは、親御さんしかいません。一番身近にいて、子供のことを第一に考えている親が助けてあげるしかないのです。
いじめが深刻化し、自殺まで考える状態になってしまっては、問題が潜在化し、相談できない心理も働いてしまうので気付くことができないこともしばしばです。やはり、いじめの問題は早期に発見することが肝要なのです。問題は小さなうちに芽を摘んで、悪化するのを未然に防ぐことが必要でしょう。
子供が泣いていたり、さびしそうにしていたり、けんかをしたりといったことに注意深く目を向け、いじめの兆候がないか観察しておくことが重要です。早期であれば、こちらから声をかけることでこどももいじめのことや現状を相談してくれるかもしれません。
子供がいじめのことを相談してくるのを待っていてはいけません。
日頃から子供にしっかりと向き合い、親のほうから声をかけて相談できる環境を作ってあげなければなりません。
いじめを相談できない心理とは?
いじめ自殺の報道を見るたびに、「なぜ相談しなかったんだろう」とか「なぜ親は気付いてあげられなかったんだろう」という疑問を抱いてしまいます。中には「死ぬくらいなら、一度は相談すればよかったのに」とか、「自殺するくらいなら、誰かに相談すればよかったのに」とおっしゃる方もいるでしょう。
しかし、いじめ問題、いじめを苦にした自殺を考えるときに「相談できない心理」というのはポイントになります。
子供同士の問題を大人の世界に持ち込みたくないという心理。親に告げ口したということで、いじめがひどくなってしまうという心配。こうした心理は大人でも、自分の過去を振り返ってみれば分かるかと思います。
自殺を深刻に考えている人は、子供に限らず大人でも、そのことを周りに知られまいと振舞う傾向があります。
いじめを悩んでいる子供は、その問題を「親に心配かけたくない」という心理が働いて相談することはありません。逆に元気に振舞うこともあります。
いじめを受けて辛くて苦しい状態にあっても、相談することは無く「親に迷惑をかけたくない」という心理が働いて我慢してしまうのです。ましてや学校や教師に相談するということは不可能に近いのです。それ故、いじめの自殺問題というのは、本人からの自主的な相談を待っているだけでは手遅れになってしまうことがほとんどなのです。
ではどうすればいいのでしょうか。
「死ぬほど困っているのに、誰にも相談できない」という心理が働いていることを理解し、被害者が発するサインを見逃さない努力をすることがいじめ自殺問題のとっかかりなのではないでしょうか。
民間の相談窓口
いじめに悩んでいたら、必ず誰かに相談しましょう。
相談できるなら、教師でも親御さんでも構いません。まずは打ち明けること、相談することが大切です。絶対に一人で抱え込んではいけません。
しかし、学校の教師や親には相談できないと感じているなら、自分の住んでいる地域の公的機関(市役所など)のいじめ相談窓口に相談してみましょう。いじめ相談窓口は全国各地、自治体には必ずあります。誰にも相談せずに一人で抱え込むのは絶対に避けてください。
またこうしたいじめ相談に応じている相談窓口は、公的機関だけでなく民間や市民団体にもたくさんあります。
民間だからといって信用に欠けるということはありません。公的機関同様、秘密厳守で匿名での相談にも応じてくれます。
また民間のいじめ相談窓口の場合、いじめの相談者としっかりと向き合ってアドバイスをしてくれたり、じっくりと相談者の話を聞いてくれるところが多いようです。カウンセラーや精神科医のアドバイスやケアを提供してくれる窓口もあるようです。
こうしたいじめの相談窓口では、直接の対面、電話による相談に加えて最近ではメールによる相談を実施しているところもあるようですので、人に会いたくないという場合でも相談できるようになってきています。
とにかく、まずは誰かに相談することが大切です。相談して会話する中で、気持ちが落ち着くこともあるでしょうし、もしかしたら解決策が見つかるかもしれません。しかし相談したからといって、すぐに解決策がみつからない場合もあるかもしれません。でも相談しなければ何も始まりません。まずは相談窓口を探して、相談することから始めましょう。
方法, 相談 | コメントは受け付けていません。